ショパン国際ピアノコンクールで1位に輝いたエリック・ルーさんのコンサートに行ってきました。。NHK交響楽団との共演で、ずっと楽しみにしていました。会場は東京・渋谷のNHKホールです。
演奏されたのは
ショパン:ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 作品21。
これまでは第1番の方に親しみを感じていましたが、
今回のショパンコンクールでエリック・ルーさんが第2番を演奏したのを聴いてから、
この曲の印象が大きく変わりました。
とくに心に残ったのは、第2楽章ラルゲット。
甘美で内省的な響きの中に、
まるで人に語りかけるような自然な歌があります。
一音一音が静かに呼吸しているように感じられました。
この協奏曲は、ショパンが19歳の頃、
理想の女性を思い浮かべながら作曲したと言われています。
その若さで、これほど繊細な音楽を書いていたことにも驚かされます。
アンコールは
J.S.バッハ《ゴルトベルク変奏曲》よりアリア。
グレン・グールドの演奏とは方向性の異なる、
一音一音を大切に紡いでいくような、落ち着いたバッハでした。
娘と二人、それぞれに余韻を抱えながら帰路につきました。
こうした演奏を聴くと、
音の数や難しさ以上に、
どんな音色で、どう歌わせるかが大切だと、改めて感じます。
レッスンでも、
一音一音を大切にすることを、
丁寧に伝えていきたいと思います。