愛知で聴いた、藤田真央さんのデュオ公演

2025年12月05日 21:52

「指先から旅をする 2巻」を手に、愛知県芸術劇場コンサートホールで行われた
藤田真央さん × キリル・ゲルシュタインのピアノデュオを聴いてきました。

本当は来週のサントリーホール公演に行きたかったのですが、
発売開始10時にスタンバイし、生徒さんのお母さまにも手伝っていただいたにも関わらず、
わずか10分でソールドアウト…。
どうしても聴きたくて、なんとか愛知公演のチケットを入手し、ひとり新幹線に乗って向かいました。

今回の公演は、真央さんが深く尊敬する恩師ゲルシュタイン氏とのデュオ。
どうしても生で聴きたい、と強く思っていた公演でした。

そして演奏は‥‥人生で一番のピアノデュオでした。

3階席にいたにもかかわらず、
弱音のひと粒ひと粒まで澄みわたり、舞台上からまっすぐ届いてくるのです。
グリッサンドの音色は、私が知っているものとはまったく違い、
甘く、やさしく、初めて出会う響きでした。

ラヴェル《ラ・ヴァルス》では難しいワルツのリズムを
二人が完璧な呼吸で刻み、
ラフマニノフ《交響的舞曲》では
哀愁に満ちた音色から力強いリズムまで、
一瞬のうちに変化する色彩の豊かさに圧倒されました。

休憩中には、お隣に座っていた70代の素敵なご婦人と感想を語り合い、
その方もなんと東京からいらしているとのこと。
すっかり意気投合して、LINEまで交換し、
「次のコンサートでまたお会いしましょう」と約束して帰ってきました。

ひとつの音楽を共有しただけで、ご婦人とあっという間に距離が縮まりました。
音楽が繋いでくれたご縁に感謝した一夜でした。

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